契約社員として働いている人のなかには、現在の働き方に迷いがある人もいるかもしれません。いずれ正社員として働きたいと思っている人もいるでしょう。正社員として働くにはいろいろな方法がありますが、契約社員から正社員にステップアップできる正社員登用制度を活用するのもひとつの方法です。
今回は正社員登用制度とは何か、正社員登用制度を活用して正社員になると契約社員として働いていたときと何が変わるのかなどを解説します。将来的に正社員として長く働きたい方は、ぜひ参考にしてください。
正社員登用制度とは
正社員登用制度とは、契約社員、アルバイト・パートから正社員に雇用形態を変えられる制度です。正社員になる場合、その会社独自の試験や面接などを受け、条件を満たしていると判断された場合は、正社員になることができます。本人としては、業務内容や社内の雰囲気を理解し、人間関係を構築した状態で正社員になれるところメリットです。
企業としては、これまでの実績や仕事の進め方、志向、強みなどを把握したうえ正社員として迎え入れるため、ミスマッチによる退職のリスクを減らすことができます。人口減少により採用環境が厳しくなった近年は、多くの企業で積極的に取り入れています。
厚生労働省の「労働経済動向調査」(令和5年2月)によると、企業の77%が「正社員登用制度」を導入しています。しかし、正社員登用制度がありながらも、過去1年間に登用実績があった企業は39%に留まっています。
正社員登用制度があっても、半数以上の企業は制度を活用した実績がないようです。そのため、将来的に正社員になることを考えるなら、実績がある会社を選ぶというのもポイントの1つとなります。
契約社員から正社員になれる人・なれない人
会社の制度として正社員登用があっても、誰でも正社員になれるというわけではありません。契約社員から正社員になるための条件は企業によって異なります。それでは、正社員になれる人と、なれない人の違いはどんなところにあるのでしょうか。
・契約社員から正社員になれる人の特徴
契約社員から正社員になれる人には、以下のような共通した特徴がみられます。
1.自発的に学ぶなど向上心があり、意欲的に仕事を進められる
2.会社で役立つスキルを持っている、実績がある
3.企業が求めるスキルや資格を持っている
4.基本的なビジネスマナーが身についている
5.コミュニケーションスキルが高い
6.将来のキャリアビジョンがある
7.登用試験対策ができている
8.指示待ちではなく自主的に業務を進められる
9.ミスを認め最後までやり遂げる責任感
10.正社員になりたいと相談している(事前に会社に意思が伝わっている)
あてはまる項目が多い方は、正社員になれる可能性が高い可能性があります。
・契約社員から正社員になれない人の特徴
一方、契約社員から正社員になれない人は、以下のような弱みがあります。
1.将来性を感じない
2.相手の立場で考えることが難しく配慮ができない
3.受け身で仕事をこなしている
4.社会人としてのマナーが身についていない(話を遮り傾聴しない、謝らない)
スキルや知識、経験が豊富でも、上記にあてはまると正社員登用が厳しくなることがあります。正社員として働くためには、実績、スキル、働く姿勢について、企業側がメリットを感じられるような人材をめざすと良いでしょう。
契約社員から正社員になると変わること
では、契約社員から正社員にステップアップすると、何がどのように変わるのでしょうか。就業条件や仕事、キャリアを詳しくみていきましょう。
・雇用期間
正社員と契約社員の一番の違いは、雇用形態です。契約社員は雇用期間が決まっている有期雇用。契約期間満了日までに、企業と契約社員の双方が更新を希望しなければ雇用関係が終了となることが基本です。一方正社員は、契約期間の定めがない無期雇用。自分から退職を申し出ない限り、基本的に定年まで働き続けることができます。
・勤務時間
正社員と契約社員では、勤務時間が異なることがあります。契約社員としてフルタイムで働いていた場合は、正社員になっても勤務時間に変わりはありません。正社員は基本的に1日8時間、週40時間のフルタイムでの勤務となります。
ただし契約社員として1日5時間、週4日勤務など、フルタイム以外の条件で働いていた場合は、正社員になると勤務時間が増える可能性があります。事前にしっかり確認しておきましょう。
・休日
正社員と同じようにフルタイムで働いていた場合は、休日や休暇の日数にも大きな変化はありません。労働基準法で定められた休日の最低日数は、雇用形態に関係なく、働く日数・時間よって休日が付与されます。ただし、正社員のみを対象とした独自の休暇制度がある企業の場合、休暇が増える可能性があります。
・収入
正社員は月給制や年俸制が一般的ですが、契約社員は時給制のケースがあります。雇用形態の違いによって、不合理な待遇になることは法律によって禁止されているため、同じ業務を行う正社員と契約社員には基本的に同額の給与が支給されます。
月給制の場合、基本的に毎月同じ給与が支払われます(手当や残業代は企業により異なります)。時給制の場合、祝日の日数により、ひと月の労働時間が変わります。そのため、祝日が多ければ労働時間が減るため給与が少なくなります。正社員になると月給制となるため、安定収入が得られるのはうれしいポイントでしょう。
また、契約社員にはボーナスや退職金ももらえるようになります。正社員だけでなく契約社員にも支給される会社もありますが、正社員より支給額が少なくなるのが一般的です。
その他にも、正社員となり実績が認められれば昇給・昇格が期待でき、定期昇給もあるため、年収が増える可能性が高まります。これらの制度は会社により異なるため、将来的に正社員をめざしたいという方は、転職活動の際に会社ごとの人事制度についても確認しておくと安心です。
・福利厚生
健康保険、厚生年金、雇用保険などの社会保険は、条件を満たしていれば雇用形態による違いはなく、契約社員でも正社員でも同じように加入できます。一方で、住宅手当や子育て支援、社員旅行など、企業が独自に定めている福利厚生は、契約社員は対象外の場合や、一部のみ適用となることがあります。このあたりも、事前に把握しておきたいポイントです。
・勤務地
原則として契約社員に転勤はないため、契約を結んだ勤務地にて働くことができます。正社員になると会社の指示により転勤しなければならないこともありますし、基本的に断ることができません。ただし会社によっては転勤がない場合や、正社員でもあらかじめ勤務地を限定する働き方を導入している会社もあります。
・キャリア
契約社員は、就業前に仕事内容がおおよそ決められており、突然違う仕事を依頼されるケースは少ないと考えてよいでしょう。大半の企業は転勤も人事異動もなく、同じ仕事を続けることができます。残業も比較的少なく、ワークライフバランスがとりやすいのも魅力です。
しかし契約社員として長く働いても、どこかで契約期間が満了となることがあるため、責任のある仕事は任せてもらえない可能性があります。正社員と比べるとキャリアアップは難しくなります。
これに対して正社員は、担当する仕事や業務内容に制限がないことありません。会社の一員として、さまざまな仕事で経験を積みキャリアアップしていくことが期待されています。自ら仕事を作り出すこともできるので、やりがいを感じることも多いでしょう。
このように、キャリアアップのチャンスをつかみたい方は、正社員になることをおすすめします。キャリアパスが明確になっている企業では、定期的な研修などがあり、ステップアップできる環境が整っているのも魅力です。ただし、希望しない部署に配属されたり、やりたい業務ができなかったりするなどのデメリットもあります。
東京都の労働産業局が令和元年に公表した調査によると、正社員と業務内容が同じである契約社員は64.7%という結果でした。正社員と同じ仕事をしている契約社員が一定数いるにも関わらず、キャリアアップがしづらいのが契約社員です。
契約社員から正社員になる方法
ここからは、契約社員から正社員になる方法を4つ紹介します。現在の自分の状況に合うものがあれば、ぜひ参考にしてください。
・現在働いている会社の正社員になる
現在働いている会社に正社員登用制度があるなら、その会社で契約社員から正社員登用をめざすことができます。同じ会社で働けるため、慣れ親しんだ環境と仕事に携われることが魅力です。企業によっては正社員登用の試験が定期的に行われています。
・現在の会社で契約社員として5年以上勤務する
現在の会社に5年以上勤務すれば、法律で定められた「無期転換ルール」を使い、有期雇用から無期雇用に変更することができます。いわゆる「5年ルール」は「同一企業で通算5年以上の勤務実績があり、本人が申し出た場合、企業は無期雇用契約に転換しなければならない」という制度です。
ただし、無期転換ルールがあるからといって、5年以上働けば必ずしも正社員になれとは限りません。会社によっては正社員になれず、契約社員のまま無期雇用になる場合もあるので注意が必要です。
無期雇用の契約社員になると、契約満了による退職はなくなりますが、その他の条件は有期の契約社員の条件を引き継ぐことが一般的です。正社員のような昇格・昇給やキャリアアップは難しいと考えたほうがいいでしょう。
・転職して別の会社で正社員になる
現在働いている会社ではなく、別の会社の正社員求人に応募して転職するという道もあります。「現在働いている会社に正社員登用制度がない」「無期転換ルールが適用されるまで待てない」といった場合は、転職も視野に入れておきましょう。
・紹介予定派遣を利用して正社員をめざす
紹介予定派遣は、派遣先企業と将来的に直接雇用を前提とする派遣制度のこと。一定期間就業したあと、派遣先企業と派遣社員の双方が合意すれば、直接雇用に切り替えられます。紹介予定派遣は、最長でも6ヵ月後に正社員になれるのがメリットです。
大手企業でも紹介予定派遣を利用している会社が多く、有名企業で正社員になることも夢ではありません。派遣期間中は、派遣会社によるサポートが受けられます。希望に合う仕事を紹介してくれたり、働き出したあとも悩みを解決してくれたりするので、担当の業務に集中して正社員をめざすことができるでしょう。
トランスコスモスは正社員登用制度の実績が豊富にあります!
正社員登用制度があったとしても、上司の推薦が必要になるなど、実際のところ活用が難しい企業もあります。しかし、トランスコスモスは業務責任者の約40%が契約社員から正社員になったメンバーで構成されている窓口もあり、正社員登用の実績が豊富です。
まずは求人が多い契約社員からスタートして少しずつ仕事を覚え、「チーム運営に関わりたい」「スーパーバイザー(SV)をめざしたい」と思ったら、正社員登用制度を活用することを目標に働いてみるのも良いでしょう。
トランスコスモスのコンタクトセンターの仕事とキャリア
コールセンター・コンタクトセンターというと、「電話で話す仕事というイメージしかない」「キャリアアップのルートがわからない」という方もいるでしょう。
トランスコスモスは、日本全国のお客様の問い合わせ窓口を運営しており、業務内容はさまざまです。通信業界での操作案内、公共系の自治体などの申込み受付、金融・流通系・アパレル関連の商品やサービスに関する問い合わせ対応、業界やサービスによって対応の仕方が変わってきます。
電話応対の仕事を通じてコミュニケーション力を高めることができます。またPCや事務のスキルも身につく仕事です。お客様から「ありがとう」といわれると、やりがいを感じられます。また、電話応対のスキルがレベルアップすると、リーダーとして後輩をサポートする役割も任され、スーパーバイザーから事業所の責任者など、どんどんキャリアアップする道が開けます。
契約社員は多様な働き方ができるため、ワークライフバランスを重視するメンバーも、正社員登用をめざすメンバーもいます。子育てによるブランクがあり自分にできるか心配という方も、まずは契約社員から始めて、仕事に慣れてから正社員をめざすこともできます。
トランスコスモスのコンタクトセンター面接は、面談をする気持ち来ていただきたいと思っています。個々のライフスタイルに合った働き方を見つけるために、就職・転職を考えた理由や希望条件をしっかり伺いたいと考えています。履歴書不要でどんなことでも質問・相談していただけるので、ぜひお気軽にお問い合わせください。